自分で作るチラシの極意

エイチ・アンド・エス・デザイン


序 テーマを決めましょう
その4 レイアウト
その5 一気に完成!
・新しく仕事やお店をはじめたとき
・広く商品やサービスを宣伝したいとき
・イベントの告知や集客など
・何かをたくさんの人に薦めたいとき
などなど、インターネットが普及した昨今の時代でも、紙のチラシというのはとても有効な手段足りえます。
インターネットは双方向技術により、端末で情報を取り出そうとした人に有効な手段ですが、チラシは配布や新聞の折り込みなどによって、インターネット検索などしていない人に対しても情報を提供できるのです。それによって、興味のなかった人たちがチラシを見て興味を持ったり、行動を起こしてくれたりすることもあるでしょう。
どうせチラシを作るなら、効果的なチラシを作りたいもの。
もちろんプロに任せれば、とてもキレイで素晴らしいものを作ってくれるに違いありません。それには、プロのデザイナーであったり、写真を使えばプロのカメラマン、プロの印刷技術者などがあなたのチラシを全力でサポート・作成してくれるからです。
そこには当然、『コストの問題』『意思疎通』『納期』『出来上がりの不具合』など、不安要素もあります。プロの方々ですから、そこは間違いないでしょう。でも、絶対はあり得ません。
一番問題となるのは『コスト』でしょう。
せっかくただでさえ値引きセールを打ち出そうというときに、チラシのコストで結局赤字なんてことは目も当てられません。
意思疎通の問題に関しても、プロの方々ですから、あなたの思いをくみ取った素晴らしいデザインを作ってくれるでしょう。ですが、「思っていたのと違った」「本当はこういう方がよかったのに」という声もあるでしょう。プロでも人間です。デザイナーにも好みがありますし、場合によってはプロとしてのプライドが強くあるかもしれません。しかも長い時間のミーティングや打ち合わせ、ただでさえ忙しい時期に差し掛かろうというときに・・・。
では、自分で短時間にさっとチラシを作れたら、どんなにいいでしょう。
デザインの才能がない」「素人感丸出しのチラシを配るのはいや」などと思わないでください。
チラシ作りが苦手なあなたでも、簡単にチラシができる方法はいくらでもあります。
WORDを使ってチラシを作ろう
まず、windows搭載のメーカーもののパソコンならほとんどの機種にWORDが入っているはずです。
このソフト、一昔前で言うところのワープロソフト。要するに、文書作成ソフトです。
「そんなことくらい知ってるぞ!」と言われそうですが、”文書=文字ばっかりの書類”と思っている方も少なくないのです。
WORDには画像を使ったり、文字のフォントやイラスト文字を使う機能など、それはそれは便利なソフトです。
まさにWORDさえあれば、あとはチラシを作るだけです。
チラシ作りの第一ステップは、あなたのパソコンのWORDを立ち上げるところから始めましょう。
※このページではWORD2007を使用しています

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まず、チラシを作成するわけですから、何を伝えたいかはある程度決まっていると思います。
たとえば、飲食店の宣伝だったり、町内の運動会のお知らせだったり、演奏会のお知らせだったり、スーパーマーケットの安売りのお知らせだったり。
それぞれに合ったテーマが必要になります。それは、チラシが対象としているターゲットによって決まってくるといっても過言ではないでしょう。
女性向けのファッションが商品であるのか、ファミリー向けのレストランなのか、それによってイメージの作り方はずいぶんと変わってくるものなのです。
高級フレンチレストランのメニューにこってりラーメンがそぐわないように(あるいはいいかもしれませんが)、それぞれの持つイメージというものがあります。
さらに、宣伝したい商品がいつも一つとは限りません。スーパーマーケットのチラシのようにたくさんの商品をバランスよく配置するにはどうしたらよいか?
現時点ではうっすらでもかまいません。自分が作りたいチラシのイメージをしておいてください。
ここからは常にそのイメージと照らし合わせながら、チラシの作り方を見ていきましょう。
ここでは、カラーの写真を使ったチラシを作成していきます。カラーにするか、白黒にするか、用紙の大きさはどうするかは予算次第でもあります。

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その1 テンプレート
WORDにはテンプレートの機能があります。
テンプレートとは何かというと、簡単に言ってしまえば、最初から書式が用意されているということです。
ですので、いちいち白紙からすべて作らなくても、写真や文章を入れ替えるだけでチラシが作れる機能のことだと思ってください。
まず、WORDを立ち上げたら(アイコンをダブルクリック)、左上のOfficeボタンをクリックしてみてください。
すると、『新規作成』のコマンドがあると思います。
その新規作成をクリックしてください。
そして開いた画面の上の赤丸の部分、『チラシ』を選択。
すると、チラシのサンプルの一覧が開きます。
これが『テンプレート』なのです。
今回はこちらのテンプレートを使用してみます。一覧から選択してクリックすると、ダウンロードが始まります。インターネットに接続してください。
ほかのテンプレートを選んでも手順は同じです。
まずは、タイトルを変更してみましょう。
上の部分をクリックすると、文字の周りに□やら◇やらがつきます。
これは”ハンドル”と呼ばれるもので、文字の大きさや文字の傾きなど、画面で見ながら変形させるときに使うものです。
これを使えば画面で確認しながら自在に大きさや回転を変更することができます。
今度は、タイトル文字をダブルクリックしてみてください。
すると、上のメニューが変わりました。
実はこのタイトル文字、単なるテキストではなく、”WordArt”と呼ばれる機能を使っています。
これは、文字のフォント(字体)を使ったりして、かっこいいタイトルなどをができちゃう機能です。便利。
上のメニューの中から気に入ったWordArtを選んで、右の文字の塗りつぶしから色を選べば、あっという間にオリジナルタイトルが出来上がるというわけです。
さらに変更を加えたいときには、上記のハンドルを使えば回転させたり横長にしたり縦長にしたり大きくしたり小さくしたりが自在。
チラシ作りには絶好の機能ですね。
そのタイトルの上で右クリックすると、右クリックメニューが開きます。その中に『テキストの編集』というコマンドがあると思います。
すると、上のようなウィンドーが開くと思います。これで、このチラシのタイトルを編集できます。
のちに説明しますが、このウィンドーで文字の字体(フォント)も変更できます。
こんな感じに変えてみました。
これはWordArtなので右クリックメニューからテキストの編集を選んで入力しましたが、他のテキストはそのまま入力が可能です。
最初のものからテキストを入力していろいろ変えてみました。
よく見ると文章が変わっているのがわかると思います。
文章を違う場所に追加したいときは、『挿入』メニューのテキストボックスで追加できます。
次に、画像を変更しましょう。
テンプレートではイラストの料理が並んでいますが、実際には写真を使った方が現実的でおいしそうに見えると思います。
チラシを見る方にとってわかりやすいもの、何を取り扱っているのかちゃんと理解できるものを使いましょう。
変更したい画像の上で右クリック、『画像の変更』を選択します。
ファイルの中から、代わりに使いたい画像を選択。
あとは画像についたハンドルで大きさを整えましょう。
こんな感じで変更しました。
あとは見た目を整えて、出来上がりです。
Wordでのチラシ作りの基本はこれだけです。あっという間にできましたね。
慣れてしまえば、ここまでの工程などはものの数分で可能です。詳しいWordの使い方は専門書に任せますが、Wordでも十分にチラシのデザインをすることができることが理解いただけたと思います。
ここまでが操作の基本、ここからはデザインの基本について入っていきましょう。

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その2 フォント
フォントとはなんぞや?ということからはじまります。
平たく言えば、字体です。代表的なものを以下に挙げてみます。
これは明朝体です。
これはゴシック体です
これは丸ゴシック体です。
これはポップ体です。
他にも多種多様、さまざまなフォントが存在します。フリー素材としてダウンロードできるものも多くあります。
そういったものの中から、あなたの作りたいチラシに合うフォントを探してみるとよいでしょう。
でも、どんなフォントがいいのかわからない、という方のためにちょっとだけ入れ知恵(?)しますね。
こちらのテンプレートを使用してみましょう。このテンプレートも、上記のWordのサンプルの中にあります。
このテンプレートの”ここに商品名を入れる”の部分に、いろんなフォントで文字を入れてみましょう。
これは明朝体です。どうでしょう?雰囲気がありますか?
ちょっと高級感というか、漢字が多い名前など、和風なものに対して使いやすいフォントです。
これはゴシック体です。漢字はもとより、カタカナ・アルファベットには最適なフォントです。縦横の太さが一定なので、読みやすく目に留まりやすいフォントでもありますね。
使いやすい字体なので目立たせたいところに使うとよいでしょう。特に見出しの部分には最適です。
ポップ体です。ポップ体は線が太く、その名のとおりPOP広告にはよく使われます。
目立ちやすいので広告の中でも特に売りたい商品などに使われることが多いです。柔らかみとファンシーさが特徴でもあります。
某有名雑貨店の店頭広告には手書きのポップ体の宝庫です。かなりクオリティの高いものも中にはあるので、どこかわかった方はぜひ参考に見に行ってみるとよいかもしれません。
以上、ここに挙げたものはあくまで参考です。フォントの使い方は一通りではありませんし、決まったルールはありません。このほかにも見ていて楽しくなるフォントは山ほどあります。
チラシのテーマに沿ったものを選んで使用することが必要不可欠といえるでしょう。
では、「その1 テンプレート」で作成したサンプルチラシの文字を、自由にフォント変更してみましょう。
まず、こちらの状態から、右上の”季節の食材とシェフ自慢の~”のフォントを変更します。
右上の文字のどこかをクリックしてみましょう。
このように、ハンドルと文字サイズの縦棒(カーソル)が出現したと思います。このままではフォントは切り替わらないので、フォントを変えたい文字を選択する必要があります。
フォントを変えたい文字の上をマウスの左ボタンを押したままぐぐーっと選択してください。
うまくいかない場合は、キーボードのshift+→(←)でも選択できます。
こんな感じになったでしょうか。ここまで来ればできたも同然。
ホームタブ(メニュー上のホームを選択した状態)のフォントのメニューに字体が表示されています。(2種類以上の字体が選択されているときは何も表示されません)
この部分の下向き三角ボタンでフォントを選ぶことができます。
では、この文字をポップ体に変えてみましょう。
こんな感じになったでしょうか。一言でポップ体といっても、さまざまな種類があります。ちょっとした違いがあるので、いろいろ試してみるといいかもしれません。
では、ほかの文字もどんどん変えてみましょう!
主に赤丸で囲んだ場所を変えてみました。
文字の字体は全体の雰囲気を大きく左右します。文字もチラシ全体のデザインとしてとらえ、より内容にあったものを使うようにしましょう。
たとえば、大人の男性向けには明朝を主体とした高級感のある字体、若い女性や子供向けには丸みのあるポップ体や丸ゴシックなどというような使い分けが必要です。
チラシのターゲットを見据えたフォント選びをすればふさわしいフォントがわかってくるかもしれません。

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その3 カラーリング
物にはそれぞれ色があります。色から受ける印象というのはさまざまで、”かわいい”とか”あたたかそう”とか、色を選ぶことによってチラシのもつ方向性に見る人を誘導できるのです。
逆に言えば、チラシに使われている色によって見る人の印象が決まってしまうということですね。
これはチラシのデザインにとってとても重要なことです。
上記までで作成したこちらのチラシの左上の部分、見出しの色を変更してみましょう。
現在は赤の暖色系が使われていますが、これを青にすると、全体としてどうなるか見てみましょう。
上下二つを見比べてみてください。
どんな印象がありますか?
ただ見出しの文字を赤系から青系に変えただけで、全体のイメージがかわってきたのではないでしょうか。
どちらが良い・悪いではなく、何をターゲットにしているかでも色の使い方は変わってきます。このチラシの場合、食べ物を扱っているので通常は赤系の暖色の方が食べ物がよりおいしそうに見える・・・と言われています。青系の寒色と呼ばれる色は、スタイリッシュで都会的な印象を与えます。青い色は食欲を減退させるとも言われていますので、食べ物にはあまりいい印象は与えないところもあります。
ですが、相反するこの色を組み合わせることによって、より印象を引き立たせたり、効果的な使い方をすることもできます。
それはセンスやアイデアの世界の話なので、普段町で目にする看板やポスターなどを色遣いの観点から見ているとおのずと身についてくるでしょう。
極端な例ですが、赤系を主にしたものと、青系を主にしたものを並べてみました。
色以外は全く同じです。
ここで注目していただきたいのは料理の写真。先ほど少し触れましたが、暖色系と寒色系の効果の違いです。
まず、料理写真の左の上下、カレーライスとステーキの写真、どちらがおいしそうに見えるでしょうか?
続いて、真ん中の上下、サラダとスイーツ、どちらがおいしそうに見えるでしょうか?
場面に合わせて色の使い分けと写真や素材を引き立たせる色遣いが求められます。
では、代表的なそれぞれの色がどんなイメージを持っているかを少し紹介しておきます。
必ずしもこれにとらわれる必要はありませんが、参考までに見ておいてください。
赤
赤は情熱の色。強さやエネルギーを感じる色でもあります。それゆえに危険を感じたり、血をイメージさせることから暴力的であったりします。暖かい色の代表であり、食欲増進効果があります。炎などに示されるように興奮状態を表す色でもあります。
青
それに対して青色は海や空の色なので、リラックスできてクールな色です。寒さを感じさせる色でもあり、冷静さ・孤独さ・悲しみなども青色が持つイメージです。さらに清潔さも感じる色です。赤とは逆に食欲減退効果があり、自然界には青色の食料が存在しないことが理由とされています。
黄
希望や明るさを感じさせる色です。快活なイメージを持ち、パワーを感じさせるときに使います。”黄色い声”という言葉もある通り、甲高い音を連想させたりするので、注意喚起の場面では黄色がよく使われます。
緑
緑は自然を表す色。自然界に一番多く存在する色です。バランスがよく、安心感を与えます。赤のような情熱的な力強さではありませんが、静かに内に秘めた強さを持つ色です。
白
もっとも純粋な色であり、どんな色にも染まる色です。清潔感があって、膨張色としてもっとも極端な色です。使い方によっては空虚さや虚しさを表すこともあり、ほかの色を引き立たせる色でもあります。
黒
黒は高級感や力強さの色です。高級車に黒い色が多いのはこのためでしょう。収縮色であり、スマートさを感じさせます。半面、暗さや影などは黒であり、不安や恐怖を感じさせる色でもあります。
ピンク
女性的でかわいさを感じさせる色です。白と赤の中間色なので、両方の色の半分づつの特色を持っています。華やかで活発な印象を持ちながら、その反面、か弱く繊細な一面を持っています。
紫
古くから紫は高貴さの象徴とされていました。スピリチュアルな不思議さ、妖艶で奇怪な世界を表すことに使われる色です。ミステリアスさと精神の安定という二面性を持つちょっと不安定な色です。
色の好みやイメージというのは精神世界と深く結び付いていて、とても奥が深いものです。
ここに挙げたものだけが正解ではありません。ほかの色との組み合わせであったり、さらにその中間色であったりで受ける印象はずいぶんと違ってくるでしょう。
文字色を変えるアイコンの隣の下向き三角から”その他の色”を選び、色の設定ウィンドウで、”ユーザー設定”タブを開くと、このような画面になります。これは色の明度と彩度を表しています。
カラーモデルの”RGB"とは、色の三原色であるR(レッド)・G(グリーン)・B(ブルー)を表しています。この三色を使うことで様々な色を表しているということです。
このウインドウを使えば、より細やかな色の設定ができます。
赤の上下矢印のある方の左右で赤や青などの色味を決定し、上下で鮮やかさ(彩度)を決定します。
上の方がより鮮明な(ピュアな)色で、下に行くにつれて彩度が低くなりグレーに近くなります。
彩度の高い色は見る人にインパクトを与えますが、多用しすぎるとガチャガチャしすぎて見づらくなります。
水彩絵の具のピュアな紫と、赤と青を混ぜて作った紫では、混ぜて作った紫の方がややくもったような印象を受ける色になります。これは、彩度が絵具を混ぜるたびに低下していくからです。
こちらは色の明るさを調整するゲージです。
どんな色も、最も明るい色は白に近くなり、最も暗くすると黒に近くなります。というか、コンピューターで再現できる範囲で言えば、白と黒になると覚えておけばいいでしょう。
ものすごく明るい場所では物の色が輝いて白っぽく見えて、逆に暗いところではあたりが真っ黒に見えるのと同じ理屈です。本来で言えば、赤いものがある場所では赤は赤のはずですが、明度が上がったり下がったりすることで、白に近くなったり黒になったり(日常生活では「まぶしい」とか「暗い」とかいいますが)するということです。
色の考え方については非常に奥が深く、色彩学のみでなく心理学や光学論などの考え方も絡むところもあり複雑です。チラシを作るプロを目指すならぜひ詳しくなっていただきたいですが、まずはここまで知っておけば色の何たるかはちょっとだけわかったことになるのではないでしょうか。
あとは、全体のイメージに気を付けて、全体の統一感を出していけばよいのです。
気を付けるのは、色の数は4色から5色程度でおさえましょう。たくさんの色を使いすぎると、全体の統一感がなくなり、見る側もとても見づらいものになります。
同じような仲間の項目の文字や背景は同じ色でまとめていけば、わかりやすくまとまっていくでしょう。
よくやってしまいがちな、カラフルな色使い。派手さは間違いないですが、視覚的に気持ち悪いですね。
とてもシンプルなのですがセールの派手さよりも、シックでセピアな雰囲気があります。
同系色の背景に同系色の文字を乗せてしまいました。読みづらいですね。
これも同系色を重ねてしまいました。チカチカして非常に見づらいですね。
ごくごく一般的な色使い。上のものと比べてどうでしょうか?どれも正解・不正解はありません。が、チラシの場合、下手にデザイン的なチャレンジや余計な冒険をすると全体を台なしにしかねません。
チラシを手に取った相手に「伝える」ということに重点を置くべきでしょう。
では、いったんこちらに戻ります。Wordのそれぞれの文字や背景の色を実際に変えてみましょう。
まず、画像のように色を変えたいところを選択(ダブルクリック)します(上記では見出しの部分”ビュッフェスタイルランチセット”を選択しています。)
すると、上のようにワードアートのコマンドが表示されるはずです。(表示されないときは、ダブルクリックする場所がずれているかもしれません)
この赤丸を書いた中の右の部分、3つアイコンが並んでいますが、上が塗りつぶしの色、中が枠の色、下が文字の並び方を変えることができます。
では、自分の思い通りにいろいろ変更してみましょう。
アイコンをクリックすると現在選択されている色(形)に、そのほかに変えたいときは右の下向き三角で色や形を選ぶことができます。ここでは、このほかにも色のグラデーション、テクスチャ、線や塗りつぶしのあるなしなど、自由に変更することができるのです。ほかの場面でも応用できるコマンドなので、ぜひマスターしましょう。
できたでしょうか?
気に入るものができるまで、とにかくトコトン掘り下げてみましょう。妥協は禁物です。
次に、見出しの隣にある文字の色を変えてみましょう。
まず、赤丸で囲った部分の色を変えたいので、文字を範囲選択します(前セクション参考)。これができたら、上のAの文字のところで上記と同じように色を変えることができます。
この画像では白が選択されていますが、色を変えたいときはAの隣の下向き三角で変更できます。
サンプルではオレンジに変えてみました。
あとでも変更可能ですので、今は「こんなもんかな」でかまいません。ですが、常に全体のバランスをイメージして、文字だけのパーツごとにとらわれないようにしましょう。
次は背景の画像を変更してみましょう。
変更したい画像をクリックで選択します。その上で右クリックします(直接右クリックでもメニューが開きます)。開いたメニューの中かから、”オートシェイプの書式設定”を選択してください。
下のような画面になったでしょうか?
このウィンドーで色やグラデーション、テクスチャ、パターンなどを選ぶことができます。
背景となる画像の色は、あまり強い色を使うと背景が目立ってしまい、肝心の商品が強調されなくなってしまいます。絵画でも遠くの景色は淡く、近くのものは強く描くことで遠近法による奥行を感じさせることができるのです。
背景の画像はあくまで引き立て役に徹している方が全体として引き締まって見えるでしょう。
グラデーションの色を変えたものと、テクスチャのウッド調のものを使ったものを作ってみました。
他にもいろいろ試してみましょう。
黒っぽい色のグラデーションと、レンガのパターンでも作ってみました。
それぞれ、お店や会社のイメージで使い分ける必要があると思われます。ここでも、正解はありません。どれがお店や商品のイメージに沿っているかを見極める必要があるのです。

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チラシを作る際には、文字や写真の配置にも気を配らなければなりません。むしろ、チラシの出来を左右するとっても大事な工程です。
レイアウトが適当であれば、チラシを手に取った人はサラッと流し読みしてすぐにゴミ箱へ丸めて捨ててしまうでしょう。それでは見る人には、チラシを作る側の気持ちは何も届きません。
ここでも、必ず全体のイメージを持って、どんなチラシにしたいのかを考えながらサンプルを作っていきましょう。
今回はWordでのテンプレートを使っているのでそのままでもじゅうぶん使えるのですが、オリジナリティーを出すためにいろいろと変えていきましょう。
上のイラストを見たとき、あなたはどの順番で文字を読みましたか?
個人差もありますが、ほとんどの方が『これはサンプルです』→『新発売』→『GooooL!!』の順ではないでしょうか。
人間の目は意識しないうちに視線が流れていく方向があるのです。
このような横書きの場合、左上からZを描く方向へ動いていきます。
ですので、中央の赤い缶らしきイラストも、その方向へ少し傾けているのです。
知らず知らずのうちに視線が誘導されていたのです。
Z型の視線誘導
では、次の場合はどうでしょうか?
縦書きの場合、文庫本や雑誌と同じように、通常は右上から始まって右下、左上、左下へと視線は流れます。
上の場合は文字が少なくシンプルなのでさほど感じないかもしれませんが、文字数や情報が多くなればなるほどその傾向は顕著になると思われます。
N型の視線誘導
では、本題に入りましょう。レイアウトの基本は、やはり『揃える』ことです。
すっきりと見やすく『揃える』ことによって、見る側に『見づらい』『見るのが面倒』といったマイナスイメージを与えないことが重要です。
これはいったい何が書いてあるのでしょう?とても見づらいですね。
パッと見たときに『秋』『春』と写真をちらっと見て、チラシはそのままゴミ箱行きでしょう。こまごまと書いてある文字は読みづらいことこの上ありません。
では、以下のことに気を付けて直してみましょう
・写真の大きさを『揃える』
・文字の大きさを『揃える』
・文字の位置を『揃える』
・文字と写真のスペースを『揃える』
だいぶ見やすくなったのではないでしょうか?
まず、写真の大きさを揃えました。さらに、右側の文字の大きさを揃え、中央揃えから左揃えに変更しました。中央揃えの文字列はなんとなく使いがちですが、長い文章や単語の羅列をする場合には不向きです。
さらに、上下左右の余白を揃えました。写真が外枠にぴったり寄り添っていたり、文字と画像の間にスペースがなかったりすると、全体として息苦しいイメージを与えます。
スペースや余白は有効に使うことを意識しましょう。
さらに、グループごとに背景を色分けし、それぞれのイメージカラーにしてみました。まとまりが出てきて、さらにイメージしやすくなったのではないでしょうか。
このように、文字や写真は掲載しているだけで見る人に読んでもらえるものではありません。少しでも読み手にとって自然に入ってくるようなレイアウトを心がけることが必要になってきます。
ではWordに戻って、レイアウトを変更しましょう。
イメージしやすいように、図にしてみました。このように画像や文字はシートの上にのっていると考えればわかりやすいと思います。
「画像を追加したのに表示されない」場合、もしかしたら他の画像の下に隠れているかもしれません。「もっと手前に表示したいのに」という場合は、画像の上で右クリックで前面(背面)へ移動のコマンドで重なりを変更できます。詳しい操作方法などはWordの専門書等に任せますが、習うより慣れろということわざもありますので、いろいろ自分で試してみることも大切です。
見出しを中央に、オレンジの文字をその下に移動させてみました。
写真や画像を一度に移動させるときは、キーボードの『Ctrl』キーを押しながら左クリックで画像を複数選択すると一度に移動できて便利です。さらに、真横や真上真下に移動したときは『Shift』キーを押しながらドラッグすると直線状のみに移動できます。
場合によっては図や図形、クリップアートなどを追加しても良いですし、色や文字のフォントを調整しても良いでしょう。何度も言うようですが、全体のバランスを見ながら気に入るデザインになるまでやってみましょう。

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さて、レイアウトもできて、もう一度全体を見直してみましょう。
□ いちばん伝えたいことがいちばん目立つように入っていますか?
□ 使いたい素材がちゃんと使われていますか?
□ 派手すぎませんか?
□ 地味すぎませんか?
□ 必要事項は入れ忘れていませんか?
□ 写真やイラストは見やすいですか?
□ 文字は読みやすいですか?
□ 全体に偏りはありませんか?
□ 誤字脱字はありませんか?
以上を気にしながら見てみてください。どうですか?
例としてですが、住所の記述がある場合、地図や外観の写真を入れると大変親切ですし、わかりやすいです。
使用するイラストや写真も、プロに依頼するという方法もあります。予算次第ですが、もっとも間違いない方法ともいえます。
自分できれいなものを描けたり撮れたりすればいいのですが、場合によっては有料・無料の素材を使用するということもできます。
素材等を追加して、一気に完成させてみました。
右下の地図も、ワードの『挿入』タブにある『図形』を組み合わせて作っています。地図も、必要ない道路や目印にならないものをたくさん描き込んでしまうとわかりずらいものになってしまうので、案内上必要な目印だけを描き込むようにしましょう。駅や駐車場からの行きかたを矢印で示してもいいかもしれませんね。
最初のテンプレートからはだいぶ違ったものへとなりました。
ですが、何もない白紙からデザインを作り出すというのは、よほど慣れた人でも至難の業。最初に頭の中でもいいので、イメージを作り上げて、実際に作ってみて現実に調整を入れていくやり方が最も効率的です。
最初のテンプレートでイメージに近いものを選び、いろいろなやり方で自分のイメージに近づけていくことが大切です。

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その6 印刷
デザインが完成したら、紙のチラシである以上、印刷しなければなりません。
ここまで自分で作ってきたのだから、当然最後まで自分で印刷したい!と思うかもしれませんが、あまりそれはオススメできません。
なぜなら、コストをかけずにやってきたからこそ、ここでコストのかかる自力印刷をオススメするわけにいかないからです。
自宅に印刷機械をお持ちの方はそういないでしょうから、通常パソコンで使うプリンターだと思います。
家庭用のプリンターでは現在、インクジェット式が主流ですが、これが意外とコストがかかります。数枚の写真を印刷するのと違い、チラシは100枚から1000枚近い数をプリントするわけですからインクの量もかなり必要ですし、インクジェット用の用紙もそんなに安くありません。
かといって、安価な紙を使うとインクがにじんだり、詰まったりしてかえって手間ばかりがかかります。
さらに、せっかく作ったチラシですが、紙が悪いだけでとっても安っぽく見えたり、手に取ってもらえることすら難しくなってきます。すべては見る人のためにどうあるべきかを考えなくてはなりません。
そこで先ほどから広告として取り上げていたのがこの『ラクスル』です。
A4フルカラーのチラシが最安値で1.1円という破格の値段に加え、新聞折り込み・ポスティングなどのサービスもしてくれます(有料)。
※詳しくは下のバナーから
もうひとつ、「ここまでやってきたけど、結局自分のチラシに自信がない!」という方は、ラクスルなら”赤入れ”というサービスも行っています。
赤入れとは、あなた自信がここまで作ってきたチラシのデザインを、プロが意見を加えて直してくれるものです。
そのプロの意見を取り入れるだけでも、あなたの作ったチラシは見違えるものになるかもしれません。
※詳細は下のバナーから
そしてここまで「WORD」を使ってチラシを作ってきましたが、実は、WORDのファイルというのは印刷ではメジャーではありません。
今回、なぜその「WORD」を使ったかというと、まずは汎用性と使いやすさ、そしてソフトとしてはメジャーだということです。ネット印刷の会社でも、場合によっては「WORDファイルは使えないのでPDFにしてください」とか、「illustrator、もしくはPhotoshopを使って作成してください」ということも多々あります。その場合、高価なアプリ(ソフト)を購入しなければなりません。ですが、ラクスルはWORDのファイルから印刷を行ってくれます。
ラクスルのTOPページの『初めての方へ』をクリックして、無料の会員登録を済ませるだけです。
はじめての方にはまずは印刷サンプルの取り寄せがおすすめです。
用紙や製品のサンプル、ラクスルの利用ガイドなどがセットになった無料のスターターキットです。ぜひ、まずはそこからイメージを作りましょう。どんな紙質、大きさなど。ここにも正解はありません。でも、ヒントはたくさんあるはずです。
あなたのチラシの成功を祈ります!最後までお付き合いありがとうございました!

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